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猫は思い通りにならないところが魅力

猫を犬と比べると…

 昔から、犬は人につき、猫は家につくといわれます。犬は本来、グループ内で序列をつけ、リーダーに絶対服従することで生き延びてきた動物ですから、通常は家の主をリーダーとみなします。ところが、猫にはそうした意識はありません。さんざん世話をさせておきながら、基本的には人と「対等」のつもりなのです。

 「家につく」というのはそうした猫の性質を表現したものですが、一緒に住んでいれば猫でも、家族一人一人の役割や性格の違いを見分け、微妙に態度を変えるようになります。そして、長く暮らすほどにまるで空気のように家族に溶け込みます。中には、犬のように甘えん坊で寂しがり屋さんの猫だっているのです。

 それでも、犬派の方から見れば、猫はそっけなくて自分の思い通りにならない。第一、芸を教えても全然しないじゃないか、と突っ込まれそうですね。なぜ、猫は人の思い通りにならないかというと、それが単独で狩りをする動物の習性だからです。人には慣れても、人のおもちゃにはならないのです。

 犬は餌が欲しいとか、褒められたい、遊んでもらいたい、という強い動機から、ご主人様のご機嫌を伺い、言うことをきくようになります。でも、猫はそうしたことにメリットを感じないので、飼い主の言いなりになる必要がない。逆に天性のかわいらしさを武器に、人間様を意のままにしようとするのです。これは子供が母親に対してわがままをするのに似ています。あるいは、美貌を武器に男を意のままに操る悪女にたとえることもできるでしょう。

猫は「芸術品」。そして極上の癒し…

 その昔、人間社会では絶大な権力を持っていた古代エジプトやローマの貴族たちは、美しい猫を溺愛しました。しなやかな肢体、ふわふわしてさわり心地のよい体毛、俊敏な身のこなし、野生的な表情……まさに存在自体が芸術です。ひとたびその魅力の虜(とりこ)になると、猫がどんなに自己中心的であろうが、気にならなくなります。いや、むしろ自分の思い通りにならないところこそが、猫の魅力の源なのかもしれません。

 猫と暮らすということは、猫という魅惑的な「動くインテリア」で目の保養をし、また、あの鈴のような鳴き声にうっとりし、ひざの上で愛撫する手の感触を味わうということです。本当に癒しになります。その喜びと引き換えに、食事やトイレや安眠の世話をし、猫のペースで遊んであげ、体を清潔にしてやって、健康に注意を払うのです。愛猫の幸せが自分の幸せになる。そんな関係が猫との理想的な暮らし方といえるでしょう。

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