猫と暮らしたい基礎知識生活環境としつけ問題行動と危険健康管理と病気猫の不思議愛猫エッセイ写真

猫の表情と感情表現

猫はなぜ顔の表情がないのか?

 猫は犬に比べて表情があまりないため、犬に親しんだ人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。でも、これは猫の感情が乏しいからではありません。感情を顔の表情で表す必要がない動物だったからです。

 

 犬はもともと集団で狩をする動物ですから、生きていく上では、リーダーの統率の下、組織の規律やチームワークが欠かせません。グループの中で序列を作る犬にとって、コミュニケーション能力は重要な役割を果たしてきました。

 ところが猫は単独で狩をする動物です。発情期と子育て時期を除いては、猫同士のコミュニケーションは必要ありません。犬のように集団で行動しないため、「服従」の表情を示す必要もありません。そのため、猫の感情表現はもっぱら鳴き声や体のしぐさで行なわれます。発情期のシグナル、親子兄弟への甘え、敵への威嚇などはそれで十分なのです。

鳴き声とボディランゲージ

 猫には豊かな感情があり、恐怖・屈従、威嚇・攻撃、親愛の情、欲求・要求などは、鳴き声や尻尾などのボディランゲージで感情を表します。その表し方には個体差がありますが、おおむね次のような行動をとるといわれています。

威嚇・攻撃

 猫の基本は顔を合わせないこと。縄張りへの侵入者に対しては、体を大きく見せるため毛を逆立てて、背中を丸め、牙をむき出しにし、「フーッ」「ギャオー」というような恐ろしい鳴き声を出して、体全体で敵を追い払おうとします。この辺に近づくなというメッセージを必死で出しているわけで、威嚇するのはそれだけ自分が怖いからともいえます。

 逆にいえば、猫が無表情のときは、少なくとも敵とみなしてない証拠です。猫が特に感情表現をしないのは、決して「無関心」や「拒絶」のサインではなく、むしろ友好のしるしだと考えてよいでしょう。

親愛の情・満足

 猫は甘えたいとき、尻尾を立てて体をすり寄せてきます。また、「ニャーン」と甘えた声色で鳴き、注目を引こうとすることもあります。猫には種や個体の違いで、よく鳴く猫とあまり鳴かない猫がいますが、親愛の情を表す鳴き声は、子猫の頃に人間との関係で獲得した「猫の言語」だといわれています。

 猫をなでてやるとゴロゴロとのどを鳴らしますが、これは満足していることを示しています。また、ぺろぺろなめてくれるのも満足を表し、感謝の気持ちでお返ししているのかもしれません。甘噛みとなめるのを交互にする猫もいますが、大人になってからの甘噛みは力の加減が分からず痛いので、あまりいい習慣ではなさそうです。

 なお、猫が尻尾を立てて歩くのは甘えたいときだけでなく、ご機嫌なときや注目を引きたいときもあります。そばで尻尾をゆっくりと大きく左右に振るのは、満足の気持ちです。

欲求・要求

 猫が鳴き声で人に何かして欲しいことを伝える場合は、「ニャーオッ」というような声を出します。人間の幼子がおねだりをしているときの口調に少し似た感じもします。

 欲求・要求をもっと直接的に伝える場合は、人の体をたたいたり、爪で引っかいたりします。何をして欲しいのかはそれだけでは分からないので、別のサインを見落とさず、理解しなければなりません。

 猫は人の目の前でいきなりバタリと横に倒れたり、仰向けになって足と体を左右に揺らしたりすることがあります。これはかまって欲しいということを明確に要求している行動で、遊んであげたり、なでてあげたりしなければなりません。

恐怖・屈従

 猫が恐怖を感じたときは、たいていその場からさっと逃げてしまいます。猫同士で逃げ場がないときなどは、頭を下げて耳を後ろにつけ、尻尾を足の間に入れて、攻撃の意志のないことを示します。

 また、猫はおびえると毛が逆立ち、尻尾は太くふくらみます。これは攻撃のときと同様に体を大きく見せる効果がありますが、鳴き声はしわがれた声になります。

  TOP  HOME